Michel Herbelin MHJ

Beaujolais Nouveaux

体質的にアルコールが苦手な私ですが、フランスに住んでいた頃、「この国にいるのにワインを楽しめないのはもったいない!」とフランス人に憐れみの目でみられていました。ワインに興味がない私としては全く残念に思いませんでしたが、日本に帰ってきてからも多くの日本人に同じことを言われました。それだけフランス=ワインの文化が根付いているのですね。

ちょっとした食事の席でもワインを嗜むフランス人。大きな声では言えませんが、お祝いの席などで小さなパリジャン・パリジェンヌたちもほんの少しワインを飲んでいました。その姿は意外にも様になっていて、こうして小さい頃からワインの味を覚えていくのね、と感心した覚えがあります。

フランスでは、国のほぼ全土に渡ってワインが生産されていますが、有名な産地はシャンパーニュ、アルザス、ロワール、ブルゴーニュ、ジュラ・サヴォワ、ボルドー、南西地方、ローヌ、プロヴァンス・コルシカ、ラングドック・ルーションの10の地域で、それぞれの地域の気候や風土の違いによって栽培されるブドウ品種は異なるので、地域ごとの特徴を生かした多彩なワインが生産されています。
Michel Herbelin MHJ
ワインを飲まない私でも知っている「ボージョレ・ヌーヴォ」は、フランス・パリの東南に位置し、温暖で日当たりもよく、上質なワインづくりに適しているブルゴーニュ地方の丘陵地帯”ボージョレ地区”で「ガメイ種」という黒ぶどうを使ってその年に収穫された新しい(=Nouveau / ヌーヴォ)赤ワインのことをそう呼びます。

毎年11月の第3木曜日はボージョレ・ヌーヴォの解禁日で今年は11月21日です。日本では解禁日に合わせてイベントなども開催され盛り上がっていますが、本場フランスでは日本ほどPRされておらず盛り上がりも少ない印象を受けました。
Michel Herbelin MHJ
ボージョレ・ヌーヴォは、通常の赤ワインの製法とは少し異なる製法で造られており、熟成期間が極めて短いという特性上、一般的な赤ワインと比べてかなりライトで渋みが少なく酸味が強い味わいとのこと。小さい頃から国中の美味しいワインの味を覚えるフランス人にはあまり評判がよくないお味のよう。それでも「自然の恵みに感謝し、今年もおいしいワインができた喜びを、皆で分かち合う」という本来の意味合いを忘れずに、この先も受け継がれてほしいフランス文化の1つですね。
文:スタッフY

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