【フランス文化】春を迎えるイースター

キリストの誕生を祝う日はクリスマスですが、キリストの死後の復活を祝う日はイースター。日本ではまだあまり馴染みがありませんが、カトリック信者の多い欧州ではとても大切な祝日です。
フランスではイースターを『パック(Pâque)』と呼び、「春分後の最初の満月の次の日曜日」に設定しているので年によって日にちが変わり、今年は今週末の4月21日がパックとなります。フランスではパックの翌日の月曜日も祝日となり、学校はパックの前後2週間が復活祭の休暇という名のヴァカンスになります。
パックが近づくと街中のお店はパック仕様の楽しげなディスプレイに変わり、ウサギや雌鳥、カラフルな卵などパックを象徴するものをモチーフにしたチョコレートや菓子が店頭に並び、それを家族や親しい人同士で贈り合うのが習慣です。うさぎは沢山子どもを生むことから子孫繁栄や豊かさを意味し、雌鳥と卵は生命誕生の象徴として、生命の復活と繁栄を祝うパックのシンボルとなっています。前回のエイプリルフールのときもそうでしたが、フランスはそのイベントに合わせたスペシャルなチョコレートや菓子を楽しむことが好きですね。
そして、子どもたちにとってのパックの楽しみの1つは「エッグハント」!殻にカラフルなペイントをして中身を抜いた本物の卵やチョコレートの卵を、大人たちが家の中やお庭に隠し子どもたちがそれを探します。卵の中にはさらに小さいチョコレートやキャンディーが入っていてまさに宝探しのよう。マンション住まいで家に庭がない子どもたちの為に、公園などでもエッグハントが行われます。一生懸命に卵を探し、見つけた卵の中のお菓子を嬉しそうに食べる子どもたちをみていると、なんだか微笑ましい気持ちになります。元々は宗教的な意味を持つパックですが、寒くて長い冬が明けあたたかく花咲き誇る春を迎え入れる、なんとも嬉しくて幸せな気持ちになれる大切なお祝いです。
文:スタッフY
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