MICHEL HERBELIN ミッシェル・エルブラン

実用性と美しさを兼ね備えた時計選び

今回のMH JOURNALは、2018年1月31日発行のMHJ vol.9に、ビームス/社長室 宣伝統括本部 コミュニケーションディレクター 土井地 博氏に寄稿して頂いた「実用性と美しさを兼ね備えた時計選び」を転載しております。

ファッションを一言で伝えると、というインタビューを以前から受ける事がある。決まって私が答える事の一つに「同性異性にモテる。また自分らしく表現する事」をお話させていただく。
あくまでも持論ではあるが男の着こなしには、人それぞれの方程式があり、定番や流行、そこに個性や感性が足されてその人の「自分らしく」つまり「らしさ」に繋がると考えます。初めて身につけた腕時計、違和感を感じながら少し背伸びをしてつけたブレスレット。リング、ピアスもそう。歳を重ねていくに連れて自分の好きな形が定まってパズルが完成して行くように体を覆っていくのが楽しくなる。それは自分だけのファッションというのかは未だわからないが、男らしさの象徴である二の腕から手首、指先までのスペースにはこだわりを常に感じたいというのがここ長年のテーマだ。黒や白、ネイビー、カーキを中心としたカラーリングをベースに洋服を着こなすのが「自分らしさ」とするならば、腕まわりにその時、感じるキーワードを配置するのがその時の「美学」かもしれない。

 ある日、友人と食事をしながら雑談している際に面白い時計があるよと、そんな会話に。フランスの老舗ブランド<ミッシェル・エルブラン>のオススメだった。
今まで選んできた時計はロレックスやパネライ、IWCなど無骨で定番が多かった。私の時計遍歴を知っている友人が勧めてきたという事は重厚感あってベルトもステンレスと思いきやCity Automaticの黒文字盤、レザーストラップと意外なものだった。価格も10万円前後と良心的であり、サイズも40mmとどちらかというとスタイリッシュで名の通り都会的なものだった。
自宅に帰って早速色々調べてみる。確かに今まで持っていたものとは違うだけに違和感を感じながらも、自分の事を良く知る、また時計の趣味が非常にマッチする友人だとストーリーや縁を感じるものとなった。
当時、土井地氏が選んだCITY AUTOMATICは現在はソールドアウトとなっております。
40歳を超えて自身の流行も何回転、何周もした環境でいま求めているものは、もしかしたらちょっとしたチャレンジかもしれない。枠にはまりすぎず、今までの感性をキープした上で少し自分らしくないものや意外なものを持つことで、もっと学んだり意識が高くなったりするのかもしれない。
ヨーロッパのことわざで「先輩から経験を学んで後輩から感性を学べ」という言葉がある。
まさに少しオトナになった40代前半の自分には、自身のものさしだけではなくもっとオトナの洋服話や後輩からの流行話、もちろん同年代の会話も大切にしながら洒落男になるのが、先述した「同性異性にモテる。また自分らしく表現する事」への近道かもしれない。
<ミッシェル・エルブラン>は70年の歴史と今の時代を捉えたデザインが上手くミックスされていて、老舗ブランドという看板だけではない。深みある存在で単に時を知らせるアイテムではなく、実用性と美しさを纏った存在を私に教えてくれたモノの一つだと思う。

土井地 博(どいじ ひろし)/ビームス 社長室 宣伝統括本部 コミュニケーションディレクター
1977年島根県生まれ。大阪のショップスタッフを経て、メンズPR担当として上京。PR業務を行いつつビームスが実施する各コラボレーション事業やイベントの窓口として担当。洋服だけではなく周年事業やFUJI ROCK FESTIVALをはじめとした音楽イベント、アートイベント等を手掛けるの中心人物として長年業務を行っている。現在はビームス グループ全体の宣伝・販促を統括するディレクターでもあり、社内外における「ビームスの何でも屋さん」というネーミングを持つ仕掛人。またINTER FM897にて「TOKYO CULTURE STORY」のDJとして平日毎日出演中。instagram: @hiroshi_doiji
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