【フランス文化】パリ・プラージュでバカンス!?(MHJ vol.1)

※この記事は、MHJ vol.1(2016年7月発行)に掲載されたコラムを転載しています。

青い空に白い雲、赤い太陽がまるでフランス国旗のように輝く7月、フランスでは夏のソルド(バーゲン)と共に待ちに待ったバカンスシーズンの到来です。7月14日はフランス共和国の建国を祝う『革命記念日(パリ祭)』でエッフェル塔に花火が舞い、今年で103回目を誇る世界最大の自転車ロードレース『ツール・ド・フランス』が開催される賑やかな季節です。

今年のツール・ド・フランスの出発地に選ばれたフランスの世界遺産《モン・サン=ミッシェル》は、フランスの北西ノルマンディー地方にある周囲約1kmの島全体が修道院で、満潮時には海に浮かぶ神秘的で美しい孤島となり、年間300万人の観光客を魅了し続けています。(同じく海に浮かぶ世界遺産の厳島神社がある廿日市(はつかいち)市と観光友好都市であることをご存知ですか?)そんなモン・サン=ミッシェルは、千年以上の歴史の中で、過酷な巡礼地、城塞、牢獄、現在のような観光地と、時代によってその役割を変えながら激動の時を刻んできました。そんな修道院を支えてきた修道士たち。いまでは6人の修道士と8人の修道女(2015年現在)が日々祈り、粛々と修道院の務めを行っています。

ところかわって首都パリでは、憧れの海辺でバカンスを過ごせないパリジャン、パリジェンヌの為に『パリ・プラージュ』が存在します。毎年7月〜8月にかけて、セーヌ川沿いに5,000トンの砂を使用した人工ビーチやヤシの木、パラソルなどが出現し、もちろん旅行客も無料で海辺のリゾート気分を味わえるのです。
期間中はセーヌ右岸沿いが歩行者天国となり、普段はなかなか出会うことの出来ない風景に出会えます。セーヌ川を泳ぐことはできませんが、デッキチェアに腰掛けて水着で日光浴をする大人もいれば、友達とビーチバレーやアスレチックを楽しむ子供たちで賑わい、夜はワイン片手にJazzコンサートを聞きながらロマンティックなパリの夜のひと時を過ごせます。どこにいても思い切りバカンス気分を満喫するその姿勢は「La Vie en rose(バラ色の人生)!」と人生を謳歌するフランス人ならではです。
そんなフランス人の血を引くモン・サン=ミッシェルの修道士・修道女たちも、心に残る海辺のバカンスの記憶に、淡い想いを馳せることはあるのでしょうか...

いつの日か東京でも、隅田川でリゾート気分を味わえるような『トウキョウ・プラージュ』なんてできたら、夏時間がもっと楽しくなるかもしれませんね。

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